「ホームページの保守・更新代行」と聞くと、多くの方は「文字を直すだけのサービス」だとイメージするかもしれません。

 

実際のところはどうなのか——

当社インセンブルが日々の保守対応の中から抽出した相談18件を分類し、ランキング形式でまとめました。

 

最も多いのは「商品・料金情報の更新」で全体の2割強。次いで「資料・PDFの差し替え」「細かい表示・情報修正」「ページ新規作成・機能追加」が続きます。件数だけを見ると軽微な依頼が中心ですが、実際の対応記録を見ると、テキストを直すだけで終わらせず、公開前のチェックや関連ページへの導線整備までセットで行っているケースが目立ちました。

さらに件数は少ないものの、ヒートマップ分析にもとづくデザイン改善無料ツールを使ったブログ基盤の構築といった、一歩踏み込んだ相談も含まれています。

 

この記事では、その内訳と「保守で実際どこまでやってもらえるのか」を実例つきで紹介します。

ホームページ保守でよくある依頼ランキング

実際に受けた相談18件を、依頼の性質で分類した結果です。

順位 依頼の分類 件数 割合
1位 商品・料金・メニュー情報の更新 4件 約22%
2位(同率) 資料・PDFの差し替え 3件 約17%
2位(同率) 細かい表示・情報修正 3件 約17%
2位(同率) ページ新規作成・機能追加 3件 約17%
5位(同率) 会社情報・組織変更の反映 2件 約11%
5位(同率) データ分析にもとづくデザイン改善 2件 約11%
7位 SEOを見据えた技術基盤の構築 1件 約6%

※自社の相談ログ18件をもとにした実績であり、業界全体の統計ではありません。同率の場合は次の順位を繰り下げて表記しているため、3位・4位・6位は欠番です。また割合は小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。ただし「保守=軽微な修正が中心だが、内容は多岐にわたる」という傾向は、業種を問わず共通していました。

1位: 商品・料金・メニュー情報の更新(4件)

最も多かったのは、価格改定や新商品の登録など、商品・サービス情報の更新です。

  • 小売店様: 商品価格の改定依頼を受け、指定された新価格に基づき該当ページの価格表記を修正
  • 建材商社様: 新商品の登録依頼。提供された画像・テキストをCMSに反映し、20項目近くの表示チェックを行ってから公開
  • 建材商社様: 既存商品の注意書き変更。修正後に表示を確認し、客先へ完了連絡まで実施
  • 医療機器関連企業様: 商品の販売終了に伴う案内。ページを削除するのではなく、既存ユーザー向けのサポート案内文言に差し替える対応を相談のうえ選択

共通しているのは、「言われた箇所だけ直す」のではなく、公開前の確認や完了報告までを一連の作業として行っている点です。特に商品点数が多い企業では、修正漏れがないかのチェック工数が実質的な作業時間の大半を占めます。

2位: 資料・PDFの差し替え(3件)

  • 医療機器関連企業様: 会社案内パンフレットの改訂に伴い、会社ページ・資料ダウンロードページ・お問い合わせ後のダウンロードページなど、複数箇所に散らばったPDFをまとめて最新版に差し替え
  • 建材商社様: 新カタログPDFの掲載。ファイルの入れ替えに加えて、お知らせ欄にリンクを追加し、訪問者が気づける導線を整備
  • 行政・公共関連団体様: イベント事例のPDF掲載。お知らせページを更新し、リンク先のPDFをアップロード

PDFの差し替えは一見単純ですが、「同じ資料が複数ページからリンクされている」ケースが多く、1箇所直して終わりにならないのが実情です。

2位: 細かい表示・情報修正(3件)

  • 小売店様: 提携駐車場の変更に伴う案内文の更新
  • 小売店様: SNSアカウント削除に伴う、サイト内アイコンの削除
  • サービス業様: ブログを更新しているのにトップページに反映されないという相談。表示カテゴリの設定を調整し、反映されることを確認

この分類には「頼み方が分からないくらい些細な変更」も含まれます。3件目のように、依頼者自身は原因が分からず「直らない」とだけ伝えてくるケースもあり、原因の切り分けそのものが保守側の仕事になることも珍しくありません。

2位: ページ新規作成・機能追加(3件)

  • 建材商社様: 施工事例ページの新規作成。提供された画像・テキスト・施工会社の情報をもとにページを作成し、お知らせや商品ページへのリンクも追加
  • 建材商社様: ショールームページへの画像拡大機能の追加。JSライブラリを組み込んだうえで、提供写真から掲載に適したものを選び、トリミングなどの加工も実施
  • 行政・公共関連団体様: 特定イベント用のランディングページ作成。手元にあったチラシのデザイン(aiファイル)をもとに、HubSpotのモジュール用にリデザイン・構築し、以降のLP制作でも使い回せるテンプレート化まで実施

この分類は他と比べて作業ボリュームが大きく、月額保守の範囲を超えて別途見積もりになることもあります。ただし「ページを1枚作る」だけでなく、既存ページとの連携や、次回以降に使い回せる形に整えるところまで含めて考える必要がある点は、軽微な修正依頼と変わりません。

5位: 会社情報・組織変更の反映(2件)

  • 医療機器関連企業様: 資本金・従業員数の変更。冊子版の会社案内リニューアルに合わせて、ホームページ側の修正が必要と気づいたことがきっかけ
  • 士業関連企業様: 代表者交代に伴う会社概要の修正。代表者名が掲載されているすべてのページを洗い出したうえで名前を差し替え

会社情報の変更は発生頻度こそ低いものの、「サイト内のどこに載っているか自分たちでは把握しきれない」という相談が多く、掲載箇所の洗い出し自体に価値がある依頼です。

5位: データ分析にもとづくデザイン改善(2件)

  • 建材商社様: スマートフォン向けページの改善依頼。ヒートマップツール(Clarity)で特定エリアのクリック率の低さを発見したことをきっかけに、レイアウト変更と必要なデザイン修正を実施
  • 建材商社様: 新商品のPRバナー設置。提供された商品情報をもとにトップページ用のバナーをデザイン・設置し、GA4・GSCで設置後の反応を継続的に観察

この2件は「言われたものを作る」だけでなく、こちらからデータを見て変更点を判断している点が特徴です。依頼のきっかけが担当者からの相談ではなく、保守側の分析から始まっているケースもあります。

7位(番外編): SEOを見据えた技術基盤の構築(1件)

件数は1件のみですが、内容の専門性が高いため番外編として紹介します。

  • 建材商社様: 外部のブログサービスではなく、自社ドメイン直下にブログを設置したいという相談(SEO評価を自社ドメインに集約する狙い)。コストを抑えたいという要望に対し、microCMSの無料プランとGitHub Actionsによる自動ビルド・デプロイの仕組みを提案。お客様が記事を公開すると自動でファイルが生成され、サーバーへ反映される流れを構築

このケースは月額保守の範囲を超える技術提案ですが、「無料ツールでどこまで実現できるか」を考えるところまで含めて相談に乗った例として紹介しました。

ランキングから見える「保守で任せられること」

18件の内訳を通じて見えるのは、保守で寄せられる依頼の多くが「テキストや画像を差し替えるだけ」に見えて、実際には次のような付随作業を含んでいるということです。

  • 修正後の表示確認・完了報告
  • 関連する複数ページへの反映漏れチェック
  • 依頼内容だけでは分からない不具合の原因調査
  • 新規ページ作成時の既存ページとの導線整備・テンプレート化
  • ヒートマップやGA4などのデータを見たうえでの改善提案
  • コストを抑えたい要望に対する無料ツールを使った技術的な実装

「テキストを直すだけなら自分たちでもできる」と感じる担当者は多いはずです。実際に保守で価値が出るのは、この修正そのものよりも、周辺の確認・整合性チェックや、データを踏まえた提案にかかる手間を巻き取れる点にあります。

保守を依頼する前に確認したいこと

これから保守サービスを比較検討する場合は、次の点を確認しておくと認識のズレを防げます。

  • 月内に対応できる依頼の回数・範囲(軽微な修正のみか、ページ新規作成も含むか)
  • 公開前の確認プロセスがあるか(修正して終わりか、チェックしてから公開か)
  • 原因不明の不具合も相談対象に含まれるか
  • ページ作成や機能追加など月額の範囲を超える依頼の見積もり基準
  • ヒートマップ・GA4などのデータを見た改善提案が含まれるか、依頼待ちだけの対応か

当社のサイト更新・運用代行サービスでは、こうした軽微な修正から機能追加、データにもとづく改善提案まで、幅広く承っています。

よくある質問

Q. ホームページ保守で対応してもらえる作業の範囲はどこまでですか?

A. テキストや画像の差し替え、価格・商品情報の更新、PDFなど資料の入れ替えが中心です。ページの新規作成や機能追加は月額保守の範囲を超えることがあります。月額に含まれる作業と別途見積もりになる作業の詳しい境界線は、関連記事「ホームページ保守、月額に含まれる作業と別途見積もりの境界線」で解説しています。

Q. 「なぜかブログが反映されない」のような、原因が分からない不具合も相談できますか?

A. 可能です。実際の相談でも、依頼者自身が原因を特定できないまま「直らない」とだけ伝えてくるケースがあり、原因調査からの対応を行っています。

Q. 会社概要の変更のように、掲載箇所が複数ページにまたがる修正は対応できますか?

A. 対応できます。代表者名や資本金などの情報は、会社概要ページ以外にも掲載されていることが多いため、サイト内の掲載箇所を洗い出したうえで一括して修正します。

Q. 保守を依頼する際、事前に確認しておくべきことは何ですか?

A. 月内に対応できる依頼の回数・範囲、公開前の確認プロセスの有無、原因不明の不具合が相談対象に含まれるか、月額範囲を超える依頼の見積もり基準の4点を確認しておくと、契約後の認識ズレを防げます。

Q. ヒートマップやアクセス解析のデータを見たうえでの改善提案も相談できますか?

A. 可能です。実際の相談でも、スマートフォン向けページのクリック率の低さをヒートマップツールで発見し、レイアウト変更を提案したケースや、新規バナー設置後の反応をGA4・GSCで継続的に観察したケースがあります。

Q. コストを抑えたい前提での技術的な相談(自社ブログの構築など)もできますか?

A. 相談可能です。無料のCMSと自動デプロイの仕組みを組み合わせ、自社ドメイン直下に無料でブログを追加した実績があります。ただし内容によっては月額保守の範囲を超え、別途のご相談になります。詳しい構築方法は関連記事「自社ドメインに無料でブログを追加した実例」で解説しています。

まとめ: 保守は「軽微な修正」に見えて範囲は広い

実際の相談データを見ると、ホームページ保守で寄せられる依頼は「商品・料金情報の更新」が中心である一方、資料の差し替え、会社情報の変更、ページ新規作成、さらにはデータにもとづくデザイン改善や技術的な仕組みづくりまで内容は多岐にわたります。件数の多さより、修正の周辺にある確認作業・整合性チェックや、データを踏まえた提案をどこまで任せられるかが、保守サービスを比較するうえでの実質的な違いです。

「こんな細かい依頼でも頼んでいいのか分からない」という場合も、まずはお気軽にお問い合わせください。