
札幌市南区で創業から32年...
ケーキや焼き菓子『ろまん亭』システム導入の裏側に迫る
会社名 | 有限会社ろまん亭 |
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所在地 | 札幌市南区澄川4条2丁目9-1 |
業種 | 洋菓子店 |
システム導入前の課題 | クリスマスケーキ予約情報が紙で受け付け、その後Excelによる管理となっており、各店舗間での情報共有に問題が生じていた。 |
改善提案 | kintoneによる業務システム導入 |
システム導入後の効果 | 店舗や事務所、工場などといった場所に合わせた端末(PCやiPadなど)で情報共有ができるようになり、集計などの手間も削減できた。 |
URL | http://sapporo-romantei.co.jp/ |
システム導入実績インタビュー第一回目の今回は、札幌市内に8店舗を展開する焼き菓子・ケーキのお店『ろまん亭』様の本社へ訪問させていただきました。
インセンブル濱内との関係性やシステム導入に対する当初のイメージと実際に導入してみた印象の違いなど、導入時の打ち合わせに関わっていただいた3名様のお話を深掘りしておりますので、「システム導入を考えているけれど、うちの業務に合うのかな?」「予算範囲内で入れられるシステムって実際にあるの?」などシステム導入に関して不安を感じていらっしゃる方にはご一読いただきたいインタビュー内容となっております。
◆システム導入の背景とは
――『ろまん亭』様としてシステムを導入しようと思った背景には、どのようなものがあったのでしょうか?
小川取締役「元々、店舗の規模拡大の過程の中で"システム導入"を検討するタイミングは、20年以上前からありました。 ただ、当時は費用が高くかかったものの実務に使用できるようなものではなく、導入してからも"あるけれど使わない"ということも実際に経験しました。 そんな中で洋菓子屋として大切な時期であり、大きな業務課題になっていた"クリスマスケーキの予約"を何とかしようと話題になったことがシステム導入に本格的に動き出したきっかけです。」
――それは現在のシステムとは別のシステムということでしょうか?
小川「はい。当時から"システム"を入れたいという思いはあったものの店舗規模とシステム導入費用の予算がうまく合わずに費用の面を優先して"Excel"をベースにした予約集計の仕組みをシステム会社さんに作ってもらいました。 さすがにクリスマスケーキの予約管理に特化したシステムというものは見つからなかったので、オリジナルの仕組みが必要なのだと考えました。」
――そのシステムが導入される前と導入後にはどのような変化がありましたか?
小川「Excelベースのシステムが導入される前には、お客様から注文書を書いていただいたものを社内の記録用紙に手書きして、それを元にまた別のものに手書きして...と手作業の連続でした。これをExcelに置き換えることで手書きの手間は軽減されました。」
――では、そのシステムはどれくらいの期間ご使用していらっしゃったのでしょうか?
小川「Excelは4年くらい使っていましたね...。でもお客様に送付するハガキの印刷がうまくいかないことも多く、スタッフからは「この日、ハガキ印刷するんですけど、小川さんいますよね?」と聞かれ、詳しいスタッフが同席する必要がある状態だとシステム化は上手くいっていないなんだと実感することも多くありました。」
――それが、インセンブルへシステム開発を依頼するきっかけになったということでしょうか?
小川「はい、Excelはバージョンの違いによっても動作が安定しないことも多く、多店舗体制であることによるエラーやトラブルも発生するなど既存のシステムの限界を感じていました。そんな時にインセンブルさんとお会いして、相談していくうちに"もしかしたら問題解決につながるのではないか"という想いが生まれました。」
◆導入に向けての不安は...
――実際に導入を決めたポイントはどのようなことでしたか?
新居取締役「システムを入れ替えれば業務が改善されることは想像していたので、あとは予算が合うものがあるか...という点でした。クリスマスケーキの予約管理システムが一般的なパッケージソフトで販売されているわけもないし、かと言っても一からシステムを作ってもらうと費用が莫大にかかってしまう...そんなことに悩んでいるタイミングで出会ったのがインセンブルさんでした。」
――導入を決めた時点で不安な要素はありませんでしたか?
小川「以前のExcelベースのシステムでは、導入準備が長引いてしまい初年度は実際のシーズンには使用することができませんでした。翌年にようやく使い始めたという経験を持っていたので、今打ち合わせをしていても今年のクリスマスに使えるのかな...という不安はありました。」
――実際には...間に合った...んですよね?(汗)
新居「はい(笑)事前の打ち合わせには、しっかり時間をかけていただきましたが、クリスマスケーキの予約開始前に納品していただくことができました。」
◆システム導入を円滑にすすめる秘訣とは
――具体的に打ち合わせには、どの程度の時間をかけたのでしょうか?
濱内「トータルとしては、数回の打ち合わせを重ね3ヶ月ほど期間をいただきましたが、それは「業務内容を詳しくヒアリング」し、「何を開発するのか」を固めていく期間でした。kintoneでプロトタイピングをしながらの打ち合わせを重ね、カスタマイズの開発は1ヶ月程度で完了しました。短納期で導入が実現できるのもkintoneの魅力の一つです。」
小川「最初のうちは進捗がどうなるか心配でしたが、kintoneを使ったシステムは操作性も良く、分厚いマニュアルを作らなくてもスタッフが操作を覚えてくれることが想像できて安心できました。」
――確かに様々な年代のスタッフさんがいる中でシステムが完成しても「使い方が分からない」という声が多くなってしまうと実務では導入できないですよね?
小川「そこがExcelベースのシステムを構築した時の反省点だったので、今回も最初のうちは不安でした。それが実際に導入してみるとPCやiPadなどシステムを使う場所に合わせた端末で操作できるので学生のアルバイトさんから年配のパートさんまで想像以上に活用していることが凄く嬉しかったです。」
濱内「システムは"作る人のモノ"では無く"使う人のモノ"だと考えているので、実際に実務で活用していただけているのは私も凄く嬉しいです。」
――開発から導入までをスムーズに進めるためには事前の打ち合わせが大切だと思うのですが、事前のヒアリングはどのように進めたのですか?
新居「実務担当やシステム担当などが集まってインセンブルさんに対して「ひょっとして、こんなことできませんか?」というアイディアをどんどんぶつけました(笑)
とくに小川さんと濱内さんの相性が良かったので楽しそうに話しているのを周囲も微笑ましく見ていました(笑)」
――しっかり打ち合わせするためには、話しやすい雰囲気も大切ですよね。
新居「やはり業務の内容をしっかり伝えるためにもスムーズなコミュニケーションがとれることも大切な要素だったと感じます。」
◆実際にシステムを導入してみて...
――打ち合わせ開始から約半年後にいよいよシステム導入されて、実際にどのような印象を受けましたか?
小川「納期だけが心配な要素で"使えるだろう"ということは事前の説明会時点で分かっていたので導入もスムーズでした。システム入れ替えに拒絶反応が出るだろうと思っていた部署のスタッフも意外と好意的に受け入れてくれて驚きましたね。」
濱内「実は『ろまん亭』様の場合、本当に導入時のトラブルが少なくてお問い合わせも全く来なかったので、「あれ?本当に使えているのかな?」と逆に不安になったりもしました(笑)
使う人たちが"自分にメリットがある"としっかり実感できるとスムーズに導入できるのかもしれませんね。」
小川「たしかにそれは大きいですよね。老眼で見えないんじゃないか...と心配していたような場面でもiPadの画面を拡大して上手に使っていたり、本人なりのマニュアルを自作して覚えてくれていたりとスタッフが自発的にシステムを受け入れてくれていることが一番印象的でした。」
◆kintoneに触れてみた感想は
――kintoneはユーザー側でも機能追加や編集ができることも特徴の一つですが、導入した後に自分たちで追加してみた機能はありますか?
藤岡マネージャー「アイコンの変更のような細かいところから広告依頼やイベント管理など運営に関わる部分、商品の発注管理なども自分たちで追加していきました。」
――納品後に進化することができるシステムというのは、一昔前から考えると驚きですね。 最後にインセンブルに対して今後、期待していることはありますか?
小川「現在もアナログな部分がまだまだ多く残っていると感じますので、そういった部分をシステム化していければと思っております。今後も◯◯したいという要望がどんどん出てくると思うので、解決のサポートを濱内さんにはお願いしたいと思っています。」
濱内「はい!もちろんです!」
◆番外編『ろまん亭』誕生から大切にしているもの
今回のインタビューでは、なんと創業者である新居浩氏にもご同席いただき、創業から店舗数増加へと推移していく過程のエピソードを伺うことが出来ました。
元々、札幌市南区澄川でお生まれになった新居社長が、1988年に奥様とお二人でケーキ屋さんを始めたことが『ろまん亭』のスタートでした。
この頃は、ケーキ職人がお客様から要望をいただくと「怒って返答する」ようなことも多い時代で最近の企業で耳にする「お客様第一」のような姿勢というよりも「職人」という姿勢でお店を運営していた方が多い時代だったようです。
そんな中で新居社長は「もっと甘くないケーキが食べたい」「もっと食べやすいケーキが食べたい」というような他店では拒否するようなお客様の声もしっかりと大切にしながらケーキ作り、お菓子作りを進めていったとのことでした。
まさに「お客様と一緒につくってきた『ろまん亭』の味」なのだそうです。
そんな新居社長の人柄は、スタッフの皆さんとの関係のなかにも現れています。
人材採用の面でも人材採用の面でも「今いるメンバーとの相性を大切にする」という価値観が影響しているのか社歴に関わらず皆さんが生き生きと仕事をしている様子が事務所の至るところで見えていました。
そして、商品開発に関しても『ろまん亭』として大切にしている「お客様目線」を維持しながらも自由に考えてもらって良い。
人が定着してくれること(やりがいを感じてくれること)が大切。
という姿勢そのものが『ろまん亭』が作るお菓子の"美味しさの秘密"なのではないかと感じました。
お忙しい中でお時間をくださった新居社長やスタッフの皆様、本当にありがとうございました!
インタビュアー:岡本教兵(おかもと きょうへい)
札幌市内にて『カウンセリングこころの羽』代表カウンセラーとして個人のお客さまのお悩み解決のサポートをさせていただきながら、大学での授業や企業の研修・面談などの業務をサポート。
心理カウンセラーとしてのスキルと経験を活かしながらお話させていただく方々の「こころの声」を引き出すことを得意としています。
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