「補助金を使ってホームページを作りたい」という、補助金の活用を前提にしたご相談を多くいただきます。小さな会社やお店がホームページを作るときに使われることが多いのが、小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)です。
ただ、実際に調べてみると「ホームページだけでは申請できない」「交付決定の前に発注すると対象外」「補助金は後払い」など、知らずに進めると困るルールがいくつもあります。
2026年の第20回公募では、ホームページ制作費の上限の決め方も変わりました。
この記事では、第20回公募要領(2026年7月公開の第8版)をもとに、持続化補助金でホームページを作るときの流れと、制作費をいくらに収めればいいかを、ホームページ制作会社の立場から整理します。
なお、当社は補助金の申請書類の作成や手続きの代行は行っていません。
制度の上で申請者自身が行うことについても、記事の中で説明します。
※本記事は2026年9月時点の情報です。制度の内容は公募回ごとに変わるため、申請の際は必ず補助金事務局の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
結論: ホームページ部分は「税込50万円以内」が収めどころ
先に結論をまとめます。
- 販路開拓のためのホームページなら、「ウェブサイト関連費」として補助対象になり得る。補助率は原則2/3、ウェブサイト関連費として申請できる補助金は最大30万円
- ホームページだけでは申請できない。ほかの経費と組み合わせる必要がある。チラシなどの広報費も、第20回から単独では申請できなくなった
- 交付決定の前に発注・契約・支払いをしたものは対象外。採択されただけではまだ発注できず、「先に作って後から申請」もできない
- 補助金は後払い。制作費はいったん全額を自分で支払う必要がある
- ホームページ部分は税込50万円以内が収めどころ。この範囲なら、相見積や財産処分の制限といった追加の手続きを避けやすい
それぞれ、なぜそうなるのかを順番に見ていきます。
持続化補助金の基本(第20回・一般型 通常枠)
持続化補助金は、小規模事業者が自分で経営計画を立て、それに沿って行う販路開拓などの取り組みの経費の一部を補助する制度です。第20回公募(一般型 通常枠)の基本は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 小規模事業者(常時使用する従業員が、商業・サービス業は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下)。NPO法人は、収益事業を行っていることなどの要件を満たす場合に限り対象 |
| 対象にならない例 | 医師・歯科医師・助産師、医療法人、一般社団法人・一般財団法人、社会福祉法人、任意団体、申請時点で開業していない創業予定者 など |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限 | 50万円(インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円、両方で+200万円。特例にはそれぞれ要件あり) |
| うちウェブサイト関連費 | 補助金の申請額の上限は30万円(税込)。ウェブサイト関連費のみでの申請は不可 |
| 申請方法 | 電子申請のみ。「GビズIDプライム」のアカウントが必要 |
※出典: 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第20回公募要領(第8版) P.1・P.3〜5・P.7・P.14。持続化補助金には「創業型」などほかの類型もあります。この記事は一般型 通常枠について説明しています。
補助対象になるのは、補助事業計画に沿った販路開拓のためのホームページです。公募要領では、ウェブサイト関連費を「販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト、システム(オフライン含む)等の開発、構築、更新、改修、運用をするために要する経費」と定めています。どんなお客様に、何を届けるためのホームページなのかを、計画の中で説明できることが前提です。
ここで押さえておきたいのが、ウェブサイト関連費の上限の決め方が第20回から変わった点です。前回の第19回公募では「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」という割合で決まっていたため、ホームページにかけられる補助金は、ほかの経費の大きさに左右されていました。
第20回からは「30万円(税込)」という金額で上限が決まっています。ほかの経費の大小に関係なく、ホームページ部分の補助金は30万円までと考えればよくなりました。
もう一つの変更点が、チラシやパンフレット、看板などの「広報費」です。
第20回から、広報費にも補助金の申請額の上限30万円(税込)が設けられ、広報費だけでの申請もできなくなりました。
ホームページ(ウェブサイト関連費)と広報費の2つだけを組み合わせて申請できるかについては、公募要領には「それぞれ単独では申請できない」としか書かれていません。第20回の「よくあるご質問」も、2026年9月時点では準備中です。ホームページとチラシだけで申請を考えている場合は、計画の段階で商工会議所・商工会に確認してください。
※第19回との比較は、第19回公募要領(第5版)のウェブサイト関連費・広報費の記載と照らし合わせています。
ホームページ制作費はいくらに収めればいい?
補助率が2/3の場合、ウェブサイト関連費の補助金30万円に届くのは、補助対象となる制作費が45万円のときです。それを超えた部分は、全額が自己負担になります。
さらに、公募要領には金額の区切りがもう2つあります。
- 1件あたりの発注総額が50万円(税込)を超える場合は、原則として2者以上からの相見積が必要(P.21)
- 50万円(税抜)以上でホームページを作成・更新すると「処分制限財産」になり、補助金を受け取った後も一定期間(通常は5年間)、目的外の使用や廃棄などが制限されることがある(P.14)
これらを踏まえると、ホームページ部分は税込50万円以内に収めるのが現実的です。課税事業者の場合、税込50万円は税抜で約45.5万円です。補助率2/3で計算すると約30.3万円となり、補助金の上限30万円に届きます。そのうえで、相見積や処分制限の対象にもなりません。
逆に言えば、補助金を前提にするなら、100万円規模のホームページを計画してもウェブサイト関連費の補助金は30万円で頭打ちです。「補助金があるから大きく作ろう」ではなく、「補助金の枠に合う規模で、必要なページをきちんと作る」という考え方のほうが、自己負担とのバランスがとりやすくなります。
計算例: 5ページのホームページ+展示会への出展で申請する場合
課税事業者が、ホームページ制作(税込15万円)と展示会への出展(出展料 税込11万円・展示会等出展費)を組み合わせて申請する場合の概算です。消費税は原則として補助対象外なので、税抜の金額に補助率をかけます。
| 経費 | 支払額(税込) | 補助対象(税抜) | 補助金(2/3) |
|---|---|---|---|
| ホームページ制作(ウェブサイト関連費) | 150,000円 | 136,364円 | 約9.1万円 |
| 展示会への出展(展示会等出展費) | 110,000円 | 100,000円 | 約6.7万円 |
| 合計 | 260,000円 | 236,364円 | 約15.8万円 |
この例だと、実質の負担は約10.2万円です。ただし補助金は後払いなので、いったんは26万円を自分で支払い、その後の実績報告を経て補助金が振り込まれる流れになります。資金繰りの計画は、補助金が入る前提ではなく、全額を立て替える前提で立ててください。
※金額は説明用の仮の例です。免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者は、消費税を含めて申請できる場合があります。実際の補助金額は、審査の結果によって減額されることもあります。
申請から補助金の入金まで: 第20回のスケジュール
持続化補助金でホームページを作るときに一番誤解が多いのが、スケジュールです。第20回公募の流れを、ホームページ制作のタイミングと合わせて並べると次のようになります。
- GビズIDプライムを取得する — 電子申請に必須です。公募要領では、取得には数週間程度かかるとされているので、最初に手続きしておきます
- 経営計画と補助事業計画を自分で作る — 並行して、制作会社から内訳付きの見積もりをもらっておくと、計画に書く金額を決めやすくなります
- 商工会議所・商工会に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する — 発行受付の締切は2026年12月4日(金)。締切後の依頼はどんな理由があっても受け付けられません
- 電子申請で申請する — 申請受付は2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00
- 採択発表 — 2027年3月頃の予定です。採択された段階では、まだ発注できません
- 見積書などを提出し、交付決定を受ける — 採択後、計上したすべての経費の見積書などを提出し、審査を経て交付決定となります。交付決定までは、採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があるとされています
- 交付決定後に、ホームページ制作を発注する — ここで初めて制作会社と契約し、制作・公開・支払いを行います。支払いは銀行振込が原則です
- 実績報告書を提出し、補助金額が確定したら請求する — 補助事業の実施期限は2028年3月31日(金)です
- 補助金が振り込まれる — 補助事業の終了から1年後には、事業効果の報告もあります
※出典: 第20回公募要領(第8版)P.3「補助事業の流れ」、P.7「補助事業実施期間」、P.22「申請手続」。予定は変更される場合があります。
つまり、第20回で申請した場合、ホームページ制作を発注できるのは早くても2027年の春以降です。公募要領には「交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)等を実施したもの」は補助対象外と明記されています。「先に作っておいて、あとから補助金を申請する」ことはできません。
また、補助事業の期間内に運用開始まで至らなかったホームページも対象外です。支払いも期間内に終えている必要があります。交付決定から期限までに、制作・公開・支払いを終える段取りを立てておきましょう。
見積もりで気をつけること
持続化補助金では、採択後から交付決定までの間に、価格の妥当性を証明できる見積書を提出します。
公募要領では「見積金額に複数の項目が含まれる場合は、その内訳を示してください」とされています。
制作会社に見積もりを頼むときは、次の点を確認しておくと安心です。
- 宛名が申請する事業者名になっているか — 個人事業主の場合は屋号または本人名
- 「ホームページ制作一式」ではなく内訳があるか — ページ制作・デザイン・お問い合わせフォーム設置など、何にいくらかかるかが分かる粒度
- 初期費用と月額費用が分かれているか — CMSやサーバーの月額利用料のように公開後も続く費用は、制作費と分けておくと整理しやすくなります。補助対象になるのは、補助事業期間中に発生し、期間内に支払いが完了した経費だけです。契約期間が補助事業期間を超えるソフトウェアの使用権も、按分などで算出した補助事業期間の分しか対象になりません
- 1件50万円(税込)を超えないか — 超える場合は、原則として2者以上からの相見積が必要です。相見積は、事業者自身が別々の会社から取る必要があります
また、インターネット利用料などの通信費や、補助金の申請書類・実績報告書の作成にかかる費用は、補助対象外です。ホームページまわりで「これも対象になるだろう」と思っていた費用が対象外になることもあるので、見積もりの段階で整理しておきましょう。
申請書類は自分で作るのが前提の制度
冒頭でお伝えしたとおり、当社は補助金の申請書類の作成や手続きの代行は行っていません。
そもそもこの補助金は、事業者自身が計画を作ることを前提にした制度です。公募要領には、次のような記載があります。
- 小規模事業者が自ら自社の経営を見つめ直し、経営計画を策定した上で行う販路開拓の取組を支援するもの。事業者自らが検討した記載が見られない場合などは、不採択・交付決定取消になる(P.1)
- 第三者の支援を受けた場合は、支援料金の有無にかかわらず、その相手と金額を申告する。申告がないと虚偽の報告として不採択・交付決定取消になる(P.1)
- GビズIDのアカウントとパスワードを第三者の支援者などに開示することは、GビズIDの利用規約に反する(P.1)
- 社外の代理人だけで、商工会議所・商工会への相談や事業支援計画書の発行依頼をすることはできない(P.22)
第三者の支援を受けること自体が禁止されているわけではありません。ただ、計画の中身は事業者自身が考え、支援を受けたなら正直に申告する、というのが制度の前提です。
公募要領では、提供するサービスの内容とかけ離れた「高額なアドバイス料金」を請求する業者への注意も呼びかけています。2026年8月28日には補助金事務局から、「補助金事務局を名乗り、補助金の案内や紹介を行う事案」についての注意喚起も出ています。補助率は原則2/3なので、自己負担がゼロになることはありません。「補助金で実質無料」のような話を持ちかけられたら、その場で契約せず、商工会議所・商工会に相談してください。
経営計画の作り方や申請の進め方で迷ったら、まずは地域の商工会議所・商工会に相談するのが近道です。札幌市内の事業者は札幌商工会議所が窓口で、区ごとの支所で相談を受け付けています。第19回の案内では、相談を予約したうえで申請者本人へのヒアリングがあり、事業支援計画書の発行には2〜3日かかるとされていました。締切間際を避けて、早めに予約するのがおすすめです。
※商工会の地区と商工会議所の地区では、問い合わせ先の事務局や、事業支援計画書の発行依頼の手順が一部異なります。どちらの地区に当たるかは、公募要領に掲載されている商工会・商工会議所の検索サイトで確認できます。札幌商工会議所の案内は札幌商工会議所の持続化補助金のページを参照しています。
こんな場合は補助金を待たないほうがいいことも
補助金はうまく使えば負担を大きく減らせますが、すべての人に向いているわけではありません。次のような場合は、補助金を待たずに作ったほうが合理的なこともあります。
- 開業日やサービス開始日が決まっていて、すぐにホームページが必要 — 第20回の場合、制作を発注できるのは早くても2027年春以降です
- まだ開業していない — 申請時点で開業していない創業予定者は、補助対象になりません
- ホームページ以外に、販路開拓の取り組みの予定がない — ウェブサイト関連費だけでは申請できません
- 経営計画を作る時間がとれない — 計画書は自分で作ることが前提です。審査があり、不採択になる場合もあります
たとえば税込15万円のホームページなら、課税事業者の場合、補助金は約9万円です。数か月待つ間に得られたはずの問い合わせや信用と比べて、どちらを取るかを一度考えてみてください。
当社(らくっとホームページ)でお手伝いできること
当社が運営する小規模組織向けのホームページ制作サービス「らくっとホームページ」は、5ページ15万円〜・公開後は月額3,850円〜のプランです。
持続化補助金を検討している方には、次のような形でお手伝いしています。
- 補助金の予算に収まるプランのご提案 — 「いくらに収めればいいか」から逆算して、ページ数やオプションを調整します
- 内訳付きのお見積書の発行 — 制作内容ごとの内訳と、初期費用・月額費用を分けて発行します。補助金の手続きで提出する見積書としてもお使いいただけます
- 交付決定に合わせた制作スケジュールのご相談 — 素材がそろえば短期間で公開まで進められるので、着手や公開の時期のご希望はお気軽にご相談ください
一方で、前の章でお伝えしたとおり、申請書類の作成や商工会議所・商工会への手続きのサポートは行っていません。
「補助金の予算内で、どんなホームページが作れる?」というご相談は、申請前の段階でもお気軽にどうぞ。
よくある質問
Q. 持続化補助金でホームページ制作費は補助されますか?
A. 販路開拓のためのホームページであれば、「ウェブサイト関連費」として補助対象になり得ます。第20回公募では補助率2/3、ウェブサイト関連費として申請できる補助金の上限は30万円(税込)です。ただし、ウェブサイト関連費だけでの申請はできず、ほかの経費と組み合わせる必要があります。
Q. ホームページだけで申請することはできますか?
A. できません。公募要領で「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません」と定められています。第20回からはチラシなどの広報費も単独では申請できなくなったため、ホームページと広報費の2つだけでの申請を考えている場合は、計画の段階で商工会議所・商工会に確認することをおすすめします。
Q. すでに作り始めたホームページの費用は対象になりますか?
A. 対象になりません。交付決定の前に発注・契約・支払い(前払いを含む)をした経費は補助対象外です。採択された後でも、交付決定の前に発注したものは対象外になります。ホームページ制作の発注は、交付決定を受けてから行ってください。
Q. ホームページの制作費はいくらくらいに収めるのがよいですか?
A. 税込50万円以内が一つの目安です。課税事業者の場合、補助金の上限30万円に届くのは制作費が税抜45万円のときで、それを超えた分は全額自己負担になります。また、1件50万円(税込)を超えると原則として相見積が必要になり、50万円(税抜)以上だと処分制限財産の対象になります。
Q. 公開後の月額費用も補助されますか?
A. 補助の対象になるのは、補助事業期間中に発生し、期間内に支払いが完了した経費だけです。契約期間が補助事業期間を超えるソフトウェアの使用権も、按分などで算出した補助事業期間の分しか対象になりません。補助事業の終了後に続く月額費用は自己負担になるため、公開後のランニングコストも含めて予算を考えておきましょう。
Q. 制作会社に申請書類の作成を代行してもらえますか?
A. 当社では行っていません。持続化補助金は、事業者自身が経営計画を作ることが前提の制度で、自ら検討した記載が見られない場合は不採択・交付決定取消の対象になります。第三者の支援を受けた場合は、相手と金額の申告も必要です。計画づくりの相談は、事業支援計画書の発行窓口でもある地域の商工会議所・商工会にするのがおすすめです。
まとめ: 補助金の枠に合わせて、必要なページをきちんと作る
持続化補助金は、小さな会社やお店がホームページを作るときの負担を大きく減らせる制度です。一方で、ホームページだけでは申請できないこと、交付決定まで発注できないこと、補助金は後払いであることなど、スケジュールと資金繰りに関わるルールがあります。
第20回公募は、事業支援計画書の発行受付が2026年12月4日、申請締切が12月15日です。申請を考えている方は、まずGビズIDプライムの取得と、商工会議所・商工会への相談から始めてみてください。ホームページの見積もりが必要になったら、らくっとホームページからお気軽にご相談ください。補助金を使わない場合も含めたホームページ制作の費用感は、札幌のホームページ制作の費用相場の記事でも解説しています。

